2010年3月20日土曜日

2年間お世話になりました。

〈日本一の「おもてなし集落」を目指しましょう!〉



真の復興はこれから!

けれども、これはまだ地域復興の準備が終わっただけです。真の地域復興はこれから、集落や地域の皆さんの力で、「おもてなし集落」をますます盛り上げていってもらいたいと思います。「きよつう」がこれからも続いていくとステキです。心強いことにツキハシ研の森谷哲郎君が4月から十日町市の地域おこし協力隊員としてしばらくの間、集落にお世話になります。私、槻橋修は大学を移ったのですが、これからも新生ツキハシ研のメンバーでお邪魔したいと思います。どうぞ宜しくお願いします!
〈文:槻橋修 ・神戸大学大学院准教授(元 ・東北工業大学)〉

川の皆さんの地域復興へのアツい想いに引き寄せられて、平成20年の冬から約2年間、地域復興アドバイザーとして、東北工業大学ツキハシ研の学生さん達と一緒に芋川集落に通わせていただきました。地域の隠れた資源をみんなで発掘し、情報発信していこうという考えからこのフリーペーパー「きよつう」のアイデアが生まれ、2年間を通じて地域復興の準備として計6回の制作と発行をしてきました。そろそろ近隣のみなさんにも「きよつう」が親しまれるようになったのではないでしょうか?
この準備活動の間に、芋川集落の皆さんと議論を重ね、芋川集落の将来像として「おもてなし集落」というビジョンを見出しました。その拠点施設としての「きよつうプレスセンター(仮称)」も昨年12月に完成し、いよいよこの春から本格的に活用していくことになります。228日には復興事業の最終発表会に委員メンバーが参加して成果を発表し、大変高い評価をいただきました。2年間、大変お疲れ様でした。そしてお世話になりました。

幻想的な世界を創りだす冬の一大イベント!

〈第22回雪原カーニバルなかさと2010 メイキングリポート〉

かさと清津スキー場で313日に行われた雪原カーニバルは、中里を明るく元気な地域にしようと、平成元年に旧中里村の人口と同じ数のキャンドルを点灯したことが始まり。12月から企画を練り始めたが、毎年数が増えるキャンドルの風除け用カップ作りには時間がかかり、各地区振興会やIVUSAなど多くの人々の支援を得て、当日の昼まで準備が行われた。当日はみぞれまじりの雪にも関わらず子ども達の元気な声が飛び交い、会場を盛り上げた。日没後は次第に雪も弱まり、1万6千本のキャンドルの優しい灯りにより、幻想的な世界に包まれた。

継続して参加する団体「IVUSA

IVUSA(イヴューサ)は、国際協力、災害支援、環境保護、地域福祉活動などを行う国際学生ボランティア団体。平成12年、当時のIVUSA代表が旧中里村出身であり「故郷を盛り上げたい」との思いから参加し、3万本のキャンドルを点灯したという伝説を残す。以後、中里地域の活性化に貢献し続け、今年も約100名もの学生ボランティアが雪原カーニバルなかさとを盛り上げてくれた。

IVUSA URL : http://www.ivusa.com/

二百年続く冬の伝統、十六念仏 (じゅうろくねんぶつ)

〈一年に一度、奥様達のお茶飲み会〉

念仏は「唱名とり」の発声から始まる。

暦一月十六日に行うことが名前の由来とされるこの行事には、集落一軒につき一人の年長の女性達が集まる。起源は不明だが、「娯楽の無い冬に仏を弔う練習をしましょう」ということからはじまったとされる。また、寛政十一年(1799年)「越後魚沼郡芋川村」時代の古文書にも記載があり、二百年以上の歴史があるとわかる。


記載のある古文書


特徴は車座となり、長さ約
8メートルの大きな数珠を「南無阿弥陀仏」と唱えながら13周まわす。そして代表者が数珠を束ねて持ち、背中を叩いて健康を祈願するというもの。念仏の後はもう一つの大事な目的、お茶飲み会。皆で持ちよった料理を食べながら会話をすることで、今もなお世代を超えて集落の伝統が伝えられている。








数珠で勢いよく叩く

開拓集落のホットスポット!

〈原町(はらまち)・新里(あらさと)集落訪問リポート〉

岸段丘の上段に位置する原町集落は、昨年11月に開拓60周年を迎えた。酪農や米、ユリの栽培が盛んで、現在40人ほどが生活している。集落内には温泉の源泉があり、住民は「温泉スタンド」として、夕方になると風呂の湯をくみに訪れる。

お隣りの新里集落は野菜の生産が盛んで、3月には「雪割にんじん」の収穫が行われており、2メートル程も積もった雪を除雪機で何回も往復してようやく収穫できるようになる。雪の下で成長するにんじんは、雪が深く積もるほど甘みが増すそうだ。どちらの集落も開拓という共通した環境の特色から、新しい事にチャレンジする精神を感じさせる。

世帯数:原町(8戸)新里(7戸)

第六回 「こうこのきんぴら」は山くるみで香ばしく

漬け物がおいしく大変身!


「こうこ」とは、たくあんのこと。大根のたくあんは毎年樽に何十本と漬け込む、漬け物の代表的なものだ。こうこは、はじめにしっかり塩抜きしてから「きんぴら」にする。酸味も抜けて、たくさんの量を食べることができるため、ご飯のおかずとしてもたいへん重宝する。お好みで、かつおぶしやいりごま、特に山くるみの粉をかけると香ばしさも増して美味しい。たくあんの他にも漬け物には各家庭ごとに豊富な調理法があり、新しい料理を自分で考えたり近所の人に教えてもらったりすることも、冬の保存食料理の醍醐味だ。

【こうこのきんぴら】のレシピ!

・材料

たくあん、一緒に漬け込んだ唐辛子、サラダ油、酒、だし、みりん、醤油少々(かつおぶし、いりごま、山くるみの粉)

・作り方

1 .たくあんをきざんで、30分ほど塩抜きする。

2 .鍋にサラダ油と唐辛子を入れて炒め、辛みをだす。(唐辛子が無いときはラー油でもよい。)

3 .たくあんを入れ、調味料を加えてさっと炒めたら完成。

お好みでかつおぶし、いりごま、山くるみの粉などをかけてもおいしい。


*今回レシピを教えて頂いた方は、 鈴木世司子さんです。ありがとうございました。



きよつうプレスセンター(仮称) / KIYOTSU PRESS CENTER

津川の美しい景観の中に佇む三角屋根。中に入ると柔らかい光が差し込み、一歩ずつ踏み入れるたびに表情が変わる空間、大きな窓からの景色は美しい絵画のようでした。陽が落ち、灯りがともる様子は、温かい芋川集落を表しているようです。ここが交流の場となり、芋川集落の思いが多くの方々に届くことを願っています。

(文:高橋 麻代たかはし あさよ/ 上谷内うえのやち)

十六念仏 / JUROKU-NENBUTSU

備をする当番は毎年交代で、昔は当番が自宅に皆を招いて料理も全てつくっていた思い出があります。数時間ですが毎年とても楽しみです。どこにも行けない冬の交流の場としてはじまり、200年続く唯一の伝統文化を若い人達にぜひ引き継いでいってほしいと思います。

(文:高橋 チエ子たかはし ちえこ/ 谷内やち)

(文:南雲 キンなぐも きん/ いたや)

せっぴ落し / SEPPI-OTOSHI

年2月頃行われる「せっぴ落し」です。せっぴは気温が上がると道路へ落下する危険がある為、あらかじめ機械により除雪を行います。重機による作業が主ですが、機械の届かない所は手作業になります。道路に落とした雪の量と、機械の大きさを比較して頂ければ、せっぴという雪の量の凄さが容易に想像できるかと思います。

(文:鈴木 孝作すずき こうさく/ 豆腐屋とうふや)

清津川 / KIYOTSUGAWA-RIVER

だまだ雪深い山里ですが、少しずつ春の気配が感じられる今日この頃です。きよつうプレスセンター(仮称)も完成し、静かだったこの地にたくさんの元気をいただきました。この先1年後、2年後、10年後、またこの地を訪れる人が増えていくことをうれしく思います。

(文:根津 二三子ねつ ふみこ/ たばこや)

みどりから集落を読み解く「 いもがわ グリーンマップ!」

れまで「きよつう」では、集落マップ(00号)や流域マップ(02号)をつくり、地域の魅力を楽しいイラストと写真で伝えてきました。けれども清津川流域地帯を見渡して、一番賑やかなのは「みどりの世界」。畑や水田に加えて、山の木々や、川辺の草木など、いろいろなみどりに囲まれています。今回は、「みどりから集落を読み解く」をコンセプトに、みどりに大変詳しいランドスケープデザイナーの山﨑誠子さん(GAヤマザキ代表・日本大学助教)と日大山﨑研究室の皆さんの協力を得て、「いもがわグリーンマップ」の制作に取り組みました。

マップ作画 小林知博 (ツキハシ研)